小さな事業所を立ち上げたワケ
いろどり訪問介護も開業から1年と3カ月が経過しました。これまで、事業の立ち上げからサービスの基礎固めに重点を置いていたため、あまり情報の発信もできませんでしたが、少しずつブログを通じて私たちの考えや想いなどを伝えていきたいと思います。
今回は「小さな事業所を立ち上げたワケ」というテーマでお伝えします。
いろどり訪問介護は、まだまだ本当に小さな事業所です。4月からようやく一人常勤職員が増えて3人+登録ヘルパーさん、という体制になりましたが、ずっと常勤2名で、登録ヘルパーさんもまだ少ないので基本的に2人でほとんどのサービスを受け持っていました。
私は、運営会社(株式会社いろどり)の代表・事業所(いろどり訪問介護)の管理者・サービス提供責任者・ヘルパーという、それぞれ違う立場で仕事に向き合ってきましたが、これが本当に良かった。
常にヘルパーとして現場に出ているので、利用者様やご家族の様子も分かりますし、それをダイレクトに事業所としてのサービス内容に反映し、さらには経営方針を柔軟に変える事もできる!もっとも、これがやりたかったことなんですけどね。
今まで、介護以外の仕事にも色々と就いてきましたが、現場の声が上に届かない、届けてもなかなか聞いてくれない、聞いてくれたとしてもとても時間がかかる…ということが頻繁に起こっていました。どんな組織でも多かれ少なかれあるのではないでしょうか。
この時に、想いややる気のある職員ほど、「現場と経営側の溝」に悩まされることが多いものです。特に、経営陣が数字しか見ていないような組織では、「利用者の生活がどうか」よりも、「利益が出るかどうか」にどうしても視点が行ってしまうのです。私も、何度悔しい思いをしたことか(泣)
しかし、いろどり訪問介護では、私が経営者でもありヘルパーでもあるので、それがまったくありません。これは、小さい事業所を自分で立ち上げたからこそ得られる環境であり、私自身の仕事へのやりがいにもつながっています。
事業所を継続していくためにも利益はとても大切ですが、利益を求めるのではなく、「質の高いサービスを提供した結果として、利益は後から付いてくる」という経営方針を、形だけのお題目ではなく、本心から持つことができる。「こんな事業所で働きたい」という事業所を、自分で作ることができる。これ以上ない、幸せな働き方です。
経営ということを考えると、ある程度の規模は必要です。小さ過ぎるとちょっとした利用者様の増減によって経営が不安定になりますし、職員の体調不良時などへの対応が厳しくなる面があるからです(以前勤めていた訪問介護事業所ではサ責は私一人だったので、絶対に休めませんでした(涙))。しかし、いろどり訪問介護では、必要以上に大きくするつもりはありません。「広げる」のではなく、「深める・高める」という方向に、力を使っていきたいと思っています。
「小さな事業所を立ち上げたワケ」というのは、そういう事業所を私が作りたかった、そういう事業所で働きたかった、ということに尽きます。そして、これからの社会では、そういう「小さな事業」がとても大切になってくると思うのですが、これはまた別の機会で。